「思ったとおりに伝わらない」
これは相当おおきなストレスになりますね。
かつては同じように悩んできた経験があります。16歳から数年間、ラジオ番組をやっていて、仕事といえども最初は何をしゃべったらいいのか、正直、わかりませんでした。
まだ自己が確立していないにもかかわらず、会ったことのない方に向けて番組をやるというのは、気丈に振る舞ってはいたけれど、実際のところはかなり手探り状態。自信がなくて、不安で、いつも収録後にディレクターの方とメールのやりとりをして「今日は大丈夫でしたか?どこが改善できますか?」と聞いていたのを思い出します。
強烈なコンプレックスでした。
強烈だったので、いつの日にか、研究心に変わりました。
研究の途中で気づいたのは「伝える」と「伝わる」は、言葉は近くても意味がまったく違うということです。そもそも「伝える」は、自分ひとりでする行為です。自分ひとりでしているつもりはなくても、結局、伝わらなかったら「伝える」になってしまいます。
「伝わる」は自分と相手がマッチングします。「伝わる」が成立すると、相手の感情が動き出してわくわくしたり、相手の生き方を肯定できたり、涙が流れたりもします。そのコミュニケーションが絶対的な信頼につながるのです。
これは、カウンセリングのお仕事をしていて分かりました。
自分を消して相手の空間に入り込み、相手の世界をいっしょに生きていると満足度の高いものになります。ということは、どんなクライアントが来ても対応できるように、自分以外の視点を多様にもっておくことや、膨大な情報、知識量が必要になってくるのです。
日々の挑戦と失敗でみえてきた「伝わる」の法則はシンプルでした。本当に伝わったときに限って、自分が言ったことを覚えていないぐらい相手の世界に没頭しているのです。逆に伝わらなかったときは、だいたい、クリアに覚えています。
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